【開催報告】イタリア研修(1)
- DATE
- 2026年02月18 開催
- DOCTOR
- 辻翔太
第1回:フィレンツェで触れた、歯周組織再生療法の真髄
1. 歯科医師として挑んだ、3日間の全行程通訳
イタリア・フィレンツェに構える、ピエルパオロ・コルテリーニ先生のオフィスに、今回は15名の日本人歯科医師と共にこの地を訪れ、3日間の集中研修を開催しました。私自身は主催者としてだけでなく、全行程の通訳という重責を担ってこの研修に臨みました。
2. 歯科医師だからこそ届けられた、言葉の奥にある意図
プロの通訳ではない私にとって、3日間絶え間なく英語と日本語をスイッチし続けるのは、想像以上にハードな作業でした。単に言葉を直訳するのではなく、同じ歯科医師として先生の意図を咀嚼し、日本の臨床現場の感覚に即した言葉を選び取っていくのは、脳のエネルギーを使い果たした感覚でしたが、その分、誰よりも先生の思考に近い場所で過ごせたことは、何物にも代えがたい貴重な経験となりました。
3. 参加者の心に響いた「分かりやすさ」と次への期待
ありがたいことに、参加された先生方からは「内容が非常に分かりやすかった」と通訳への過分な評価をいただき、研修後には「次の海外研修にもぜひ参加したい」という声を数多く頂戴しました。主催者として、この研修を企画して本当に良かったと心から報われた瞬間です。
4. 再生療法とマイクロスコープの先駆者、コルテリーニ先生
さて、コルテリーニ先生といえば、歯周組織再生療法における切開法の考案者として世界的に知られていますが、実は再生療法にマイクロスコープを導入した第一人者でもあります。そのため、今回の研修では手技そのものはもちろん、歯周病治療全般における顕微鏡の具体的な応用方法についても、じっくりと深掘りして解説していただきました。
5. 「よく見える」を超えた、組織を守るための必然的な選択
なぜ、再生療法においてそこまで高倍率の視覚情報が必要なのか。先生の解説に耳を傾けていると、それは単に「視野を確保するため」だけではありません。組織への侵襲を最小限に抑え、治療の予知性を極限まで高めるための「必然的な選択」であることが明確に伝わってきます。
6. 低侵襲手術(MIST)の核心へ向けて
第1回目となる今回は、研修のプロローグとして、通訳という立場から肌で感じたコルテリーニ先生の真摯な姿勢についてお伝えしました。
次回は、先生が提唱する低侵襲手術(MIST)の核心と、マイクロスコープがもたらす再生療法のパラダイムシフトについて、より具体的に触れていきたいと思います。





