【開催報告】THE STANDARD Module1 3期(2026年3月1日・2日)
- DATE
- 2026年03月01 開催
- DOCTOR
- 辻翔太
2026年3月1日(日)・2日(月)の2日間、「THE STANDARD 2026」の第1回目を無事に開催いたしました。今回は、『歯周病基礎、診断、病因論、外科基礎 実習』に焦点を当て、臨床現場で直面する課題解決に繋がる知見を深く探求する貴重な機会となりました。
THE STANDARD 2026(3期)を開催いたしました。全7回にわたる長期コースの最初のステップとなるModule 1では、歯科医師として生涯立ち戻るべき「歯周病学の基盤」を徹底的に掘り下げました。
「世界の歯周病診断」の基準を身につける
まず私たちが向き合ったのは、「世界の歯周病診断とは何か」という本質的な問いです。日本と世界の根本的な違いや、現在、グローバルスタンダードとなっている2017年の新分類に基づき、どの状態を「歯周炎」と定義するのかを明確に再確認しました。
歯肉炎と歯周炎を分けるクリティカルな境界線は、単なる炎症の有無ではなく、臨床的付着の喪失(CAL)および辺縁骨の吸収にあります。この基準を明確にすることで、迷いのない診断の第一歩が始まります。
ステージとグレードによる精密なプロファイリング
新分類の中核を成す「ステージ」と「グレード」についても、その臨床的意義を深く掘り下げました。 「ステージ」は現時点での組織破壊の程度、つまり重症度と治療の複雑性を表す指標です。対して「グレード」は、患者様の感受性や全身状態に基づいた進行リスク、つまり将来の進行スピードを予測するための指標となります。この両輪を正しく理解することで、個々の患者様に最適化された治療計画の立案が可能となります。
全身疾患との双方向的な関わり
また、現代の歯周病学において欠かせないのが、全身疾患との双方向的な関係性(Periodontal Medicine)です。歯周炎は決して口腔内だけの問題ではありません。糖尿病や心血管疾患といった全身状態がいかに歯周組織に影響を与え、また歯周ポケットから血流に乗る炎症性サイトカインがいかに全身の負荷を増大させるか。医科歯科連携の重要性を、最新のエビデンスとともに再整理いたしました。
外科処置の生物学的原則:切開・剥離・縫合の真髄
2日目の実習では、外科処置の基本となる切開、剥離、そして縫合の手技を、理論と実践の両面から追求しました。
歯周外科の成否は、術前の「緻密な計算」によって決まります。血液供給(Blood supply)を阻害しないための切開ラインの設計、骨膜を傷つけず組織を愛護的に扱うための剥離、そして創縁を確実に閉鎖し、死腔(Dead space)を作らないためのテンションマネジメントを伴う縫合。
これらの技術は、単に手を動かすだけでは習得できません。なぜその角度でメスを入れるのか、なぜその位置に針を通すのかという「根拠」を学び、実際に手を動かすことで、その繊細な技術の感覚を五感に刻み込んでいただきました。
先生方も熱心な先生方ばかりで、高い向上心とともに楽しく学ぶことができたのではないかと思います。今回のModule1で学んだ基礎の基礎を徹底的に固めたこの2日間が、今後の高度な処置を支える揺るぎない土台となれば、大変嬉しく思います!


